ヨガが体だけと思ったら大間違い
ヨガのポーズのことをアサナといいます。一般的にそれがヨガというイメージがとても強いです。体のどっかが痛い、調子が悪い、病気を予防したい、きれいな姿勢になりたい、健康的な体を維持したい、それはヨガのポーズをすることで、改善することができます。ヨガのポーズは総合的に体を動かしていって、普段使っていない部分を動かし、普段の体の偏った使い方を見直すことができます。
これは、「自分で自分の体をお世話してあげること」ーこれは、とても必要なことだからです。でも、それらはヨガという、ごく一部分でしかありません。いわば入り口です。
心のお世話してあげるためにヨガをする
これって、あまり実感わかないかもしれません。でも、日常的に体を使って、同時に心も使っています、だから私たちは体のお世話以上にもっと、心のお世話をしてあげるのって、とても大事なことなんです。
◇例えば、ヨガクラスを初めて受ける人を例にとると・・・
「体固くても、私ついていけるんだろうか・・・」
不安な気持ちでやってきて、クラスを見よう見まねで受けて、無事クラスを終えました。
「私やっぱり固かったなあ・・・でもなんか終わったらスッキリして、気持ちいい瞬間も少しはあったなあ」
次の日、ちょっといつもよりは、体の調子が良いのにも気が付きます。
「いつもよりも目覚めがいいみたい、お腹の調子もいいみたい」
そうして、次のクラスも、また次のクラスも参加してみることに・・・。
慣れてくると、だんだんと緊張感や不安の心が和らいできます。
「私相変わらず固いなあ・・・でも終わると気持ちが軽くなるのは分かるようになったなあ」
これがひょっとして・・・ヨガの効果!?とりあえず、さらに続けてみることにしました。
「今日できないポーズもあったけど、うまくできたポーズもあったなあ」
「なんか前やったポーズが、今日はまた違う感じ方をしたなあ」
「ヨガをした後はスッキリするので、その日は前向きな気分で過ごせるなあ」
「なんか、ヨガをする日が楽しみになってきたなあ」
、とだんだん感じるようになってきました・・・。
◆最初クラスに参加したときと比べると、日を追うごとに不安だった心が、だんだんと柔らかくなって、前向きに変化し始めていってます。心の柔軟性が増してきています。ポーズをすることが、体のお世話をしているようで、実際には心のお世話をしているからです。
なんでも、やり始めるときは不安な気持ちからスタートします。それは、上手くないといけないとか、恥ずかしいと思ってるから。それで、せっかく「それやろう!」と思っても、やる前に不安を感じて、やらないことっていっぱいあると思います。でも、それはすごくもったいない!
やりたいことをやってみて、「やらなきゃよかった」と後悔するより、やらなくて「やればよかった」と後悔する方がずっとずっと、後を引く。実はこれ、僕が今までの体験で、ずっと感じてきたことです。でも、それってみんな、そうなんじゃないかな?
「しなくちゃ自分」から、「できない自分」を認めてあげる
これがこうでなきゃいけないと、決めつけるものが多いほど、心がしんどくなって疲れてしまいます。ヨガは体が柔らかくなきゃできない、とか、私はこうでなきゃ私らしくない、とか。生き方をしんどくしてるのは、世の中ではなく、この心の思考パターン。「できる」努力も大切だけど、「できない」を許すと、少し心が楽になります。その「心が楽になる」というのが、実は心が本当に必要なことなんじゃないかな。
たとえば他の種目では得点を競いますけど、ヨガは競いあって上手くなるものではありません。自分を大切に思って、お世話してあげる気持ちが強い人ほど、上手くなります。それはポーズができるのではなく、心のお世話ができるという人のことです。自分の心も、他人の心も、「楽にする」ことのできる人、そんな人になりたいです。そのためのヨガ。
だから、ヨガって体を柔らかくすることじゃなくって、心を柔らかくすることなんだと思う。
心を柔らかくするために、ヨガをしよう。